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再生医療の東京健康クリニック

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東京健康クリニック PRP 治療最前線detail

コラム

整形外科



PRPにエビデンスはあるの?ないの?

PRPにも種類がある?

 エビデンスに関してはどちらとも言えない、未確立な分野というのが現状です。ただこれまでにアスリートのスポーツ障害に欧米でも頻回に使用され、良好な結果が得られている報告が多数あることからエビデンスがないとは言い切れません。

PRP最先端のヨーロッパにおいても大規模なRCTがなされていないのが現状である。その一因として各国、また施設によって使用しているPRPが全く異なっていることが挙げられる。つまり一口にPRPと言っても、様々な種類(作成方法、キット)があるわけです。

さてここでPRPの種類について考えていきたいと思います。

PRPを作成する際の白血球の含有量によって下記@〜Bに分類されます。

@    LR-PRPleucocyte rich PRP

白血球を豊富に含むPRP

A    LP-PRPleucocyte poor PRP

白血球を少量含むPRP

B    pure-PRP

白血球を含まないPRP

特徴として白血球数 @>A>B

     血小板数 @>A>B

     成長因子 @>A>B

この結果をみると、PRPのミソである血小板や成長因子を多く含んでいるのだから@LR-PRPが最も優れていると考えるかもしれません。実はそうとも言い切れないのです。なぜなら白血球を多く含むことによる弊害もあるからです。たとえばLR-PRPの場合タンパク異化酵素を他と比べ多く含むためタンパク異化作用を有することです。つまり組織を分解してしまう可能性がゼロではないのですね。また投与後の炎症惹起も白血球が原因(炎症性サイトカインの放出)とも考えられています。

こういった賛否両論あるため、何に重きを置くかで施設によって使用するPRPは異なってきます。したがって今後臨床試験を行っていく場合はPRPの作成方法、組成を明記することは極めて重要であり質の高いエビデンスの構築が望まれるところではあります。




PRPってなんで効くの?

 

PRPの原理と作成法については他のコンテンツでお示ししましたので、ここではなぜPRPは効果があるのかについて考えてみたいと思います。

そもそも血小板の機能とは?

@    止血作用

A    成長ホルモン分泌による組織修復効果

B    殺菌効果(黄色ブドウ球菌、大腸菌など)

 

などが挙げられます。この中でもPRPの効果のミソである血小板から放出される成長ホルモンの作用について簡単に見ていきたいと思います。

VEGF 血管内皮細胞の増殖

PDGF 血管新生、組織修復

TGF- βコラーゲンなど結合組織の合成促進

IGF  細胞成長、タンパク合成の促進

 

簡単にまとめると損傷部位に対して直接的に働きかけて細胞増殖を促進、組織リモデリング(再構築)を促進させる効果があります。もう一つは間接的に働きかけて血管新生(新しい血管をつくる)や細胞外基質産生させる。つまり損傷部が治りやすい環境を整えていると言えます。このように様々な成長ホルモンが複合的に働くことで多面的に効果を発揮するわけですね。




PRPと変形性膝関節症について

 

変形性膝関節症(以下OA)は加齢やoveruseに伴い膝の軟骨がすり減ることによって膝痛を起こす病気です。治療としては一般的に投薬、注射、リハビリ、装具療法などがあります。こういった保存治療でも思うような症状改善がないケースに対して手術治療(鏡視下手術、骨切り、人工関節)が行われているのが現状です。

これまでにOAに対してPRPの効果があったとする論文がいくつか出ているので紹介すると共にPRPがなぜOAに効果があるのかについて考えていきたいと思います。

 

PRPの軟骨への作用

@    硝子軟骨細胞の増殖、プロテオグリカン産生促進(PDGF

A    間葉系幹細胞(MSCs)の軟骨分化、細胞外基質産生促進(TGF-β)

B    プロテオグリカン産生促進、異化抑制(IGF

C    軟骨代謝調節(FGF,HGF

D    抗炎症効果

 

まとめるとPRP投与によって 

★関節内組織への栄養効果

★軟骨細胞増殖、分化能の促進(軟骨再生)

などが期待できるということになります。

 

整形外科治療の中で、一度傷ついた軟骨というのは再生しないというのがセオリーでした。しかし現在では新しい関節軟骨損傷の治療として培養自家軟骨細胞移植(軟骨そのものを移植する)や間葉系幹細胞移植(軟骨の元となる幹細胞を移植)という研究が進んでいます。これらは軟骨に対して直接的な治療ができます、一方で侵襲が大きく2期的手術が必要となることがデメリットと言えます。  

そこで第3の選択肢としてPRP、成長因子投与による侵襲の少ない軟骨治療を検討してみるのも面白いかもしれません。もちろん海外では膝OAに対する論文もいくつか出ていますので紹介したいと思います。

 

 

 PRPの膝OAに対する有効性を示す論文★

いずれもHA(ヒアルロン酸)製剤と比較した場合の効果を検証しており、観察期間は6か月〜12か月程度と短い。またLP-PRPを使用している論文が多いことが特徴です。

比較的軽度のOAや若年者では効果がある印象を受けます。

 

K-Lgrade3までのOAplasma PRP 1/4回 関節内投与

 6ヵ月成績 HAと比較し優位に改善した(Cerzaら)  

 

OAplasma PRP 1/3回 関節内投与

 6ヵ月成績 HAと比較し優位に改善 疼痛軽減効果50%Sanchezら)  

 

115 PRP関節内注射 

612か月評価で有意な疼痛改善あり(Kon et al

 

261 PRP関節内注射(2週毎/3回)

6ヵ月評価 優位な改善あり(Wang

 

27膝 PRP関節内注射(1週毎/3階)

6ヵ月評価 優位な改善あり(Napolitan

 

☆早期OAに対して 6ヶ月成績 HA注射よりもPRPの方が疼痛改善効果あり(Zhang

 PRPは有効であるが、注射時痛はHAと比較し強い

 

K-L grade 12の OA20膝に対してPRP5ml関節内注射(1か月毎/6回)

   6ヵ月後評価 VASIKDC有意な改善あり 




これまで発表されている論文(ケースレポート含む)PRPの効果があった疾患について下記にまとめます。

 

 

@    腱損傷

☆アキレス腱断裂オペ時のPRP添加 →早期復帰可能であった

 

A    靭帯損傷

ACL損傷 

  ACL再建時にPRF(フィブリン化)を再建靭帯及び大腿骨孔に塗布

→ 再建靭帯の成熟が良好であった

 

B    筋損傷

通常時でも血流が豊富であるため腱損傷よりも8倍ほど治癒が早い

筋挫傷に対するPRPは有用性が高い

☆亜急性期〜慢性期

  よい適応

☆急性期

  Controversial

  ☆筋損傷を受けたスポーツ選手→疼痛、腫脹の軽減 早期復帰可能であった(Sanchez

  ☆長内転筋損傷 →早期復帰可能であった(Looら)         

 

C    OA(別コンテンツ)

 

D    上腕骨外上顆炎

極めて効果的である。

6ヵ月以上続く慢性例にbuffcoatPRP注射1回 

2年評価でステロイドより疼痛、機能とも優位に良好な成績(Gosensら) 

 

E    アキレス腱炎

報告では改善効果の有無について意見が分かれる。

アキレス腱は容量が大きく、パラテノンなどの組織構造により正確な注射ができていないことも原因?

2か月以上続く例  PRP vs PRP 両群に有意差認めず

  ☆疼痛の軽減と足関節の機能改善に極めて効果的であった(Gawedaら)

     

F    肩腱板損傷

ARCR時にPRP添加 → 腱板癒合率が増加、肩関節機能スコアの改善  

  ☆再断裂頻度の低下    

G    MCL損傷 

 兎ではあるが、急性期MCL損傷に対するPRP1回投与でMCL修復の促進、6週時点で有意に高い剛性値、破断強度が得られた(筑波大学)

 

H    骨折

  鎖骨遷延治癒に対するPRP皮下注射で 良好な骨癒合を得た (Seijasら)

  顔面や口腔外科での骨移植時 →骨癒合促進          
脊椎固定術時 →良好な骨癒合